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一方その頃、田布駅近くのファミレス。
夕方過ぎと言うこともあって、店内は結構な賑わいを見せていた。
そんなファミレスのとある窓際のテーブル席で利一君と小鳩由奈は話をしながら人を待っていた。
「……ホント、なんなんでしょうあの人」
マルチーズ少女こと小鳩由奈はげんなりとしながら言葉を漏らす。
大好きな利一せんぱいに会ってお話しがしたかったのに、邪魔をするかの様に乱入してきて、いきなり恋愛プランナーだろ?と動揺させられ、依頼があると告げられ、その上あちらの依頼に巻き込まれたのである。
げんなりするのも無理は無い。
「なぁ、ギャルゲって恋トラに効くんだろうか?」
そんな由奈の前に座る利一君がいきなりそんな事を宣った。
「ど、どうなんでしょう……」
返答に困る由奈がますます疲れた顔になりながら言葉を返した時、ポニーテールを揺らしながら1人の少女が近づいてくるのが見えたのである。
頭を蹴り砕く系女子高生の池田明日香だ。
「明日香さーんっ」
近づいてくる明日香に由奈が声を掛ける。
「こんばんは。由奈ちゃん、利一くん」
「おっす」
「こんばんは~」
そして、挨拶を終えると明日香が口を開いた。
「で、一体なんの用なのかしら?くだらない話とか胸の話をしたら肋を粉砕させるから」
とてもバイオレンスな言葉だった。
「あぁ、出来ればそっちの方がよかったよ……」
明日香の放った言葉に対し、元気なく利一君は答える。
「どうしたの?大丈夫?」
いつもと違う利一君の様子を見た明日香が心配そうに声を掛けると、由奈が口を開いた。
「あのぅ……私たちが恋愛プランナーだとバレてしまいまして……」
思った以上の出来事に明日香は立ちくらみを覚えるのだった。
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