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 数分後のこと。足まる出しのサンタクロースが出てきた。俗に言うミニスカサンタである。履いているスニーカーがすごく浮いている。 「お、お疲れ、さまです……」  すそを引っ張りながらうつむきがちに言われた。 「…………」思わず無言を返してしまう。 「あ、の、すみません、そんなに見ないでください」 「あ、ごめんなさい」  震えたことばと体があった。寒いんだろう……急に呼ばれたうえにこの格好はつらいはずだ。…………よし。 「店長は、もうすぐ来るんで待っててください――ってどこに行くんですか!?」  僕は駆け出していた。 「すぐ戻ります! 心配なさらずにー!」 「は、はあ……?」  ため息のようなつぶやきを耳朶に触れさせては、僕は走る。  目指すは人目につかない場所だ。  間もなく暗い路地に入った僕は、被っていた帽子を取り、そこに手を突っ込む。  サンタ長の帽子はそれ自体が平サンタの持つ『四次元袋』と同じ働きをするのだ。ちなみに四次元袋と違い値段制限はない。  そうして取り出した箱を抱えて、僕は路地をあとにした。 「どこにいってたんだい?」  戻ってきた僕を真っ先に見つけた店長の第一声に「ちょっと用事ができまして……」と答えながら、パイプ椅子にへたるように座っている偽物サンタに包装済みの箱を差し出す。 「……?」
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