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「まず今日から一週間渋谷地区は無法地帯となる。殺人、窃盗、何をやっても罪に問われない。武器や回復アイテムはあらゆるところに落ちている。また最初のアイテムとして何個か用意してある。それはあとで一階の事務所を見てくれ。しかし、トラップもあるから気を付けてくれ。次に今君たちがいるこの予備校だがここは君たち以外は入ることができない。これをホームと呼ぶ。他の参加者もそれぞれホームを持っている。もし他の人が立ち入ることがあればその人たちは特殊部隊によって殺される。以上」
こいつが言ってることは本当なのか?
全員が思った。今ままで普通に生活してきた。それがいきなり渋谷で95人の高校生と殺し合えだと?
「なぜこんなことをする!?」
敦は自然と声を荒げていた。
「それは申し上げられない。そろそろよろしいかな?観客がお待ちかねなので。事務所に電光掲示板が設置してある。それで生存者数を確認することができる」
ひと時の間をおいて司会者は言った
「ゲームスタート」
ウーーーーーンウーーーーーーン
ゲーム開始のサイレンが鳴った。
「どうする?」
最初に声を出したのは敦だった。
「ぼ、僕たち本当に渋谷に閉じ込められちゃったのかな?本当に他の人殺さなきゃいけないのかな?僕そんなのやだよ」
もともと気の弱い直樹は今にも泣きだしそうだ。
「そんなことあるわけないでしょ。外に出てみましょ」
由香がなだめるように直樹に言った。
「そうだな。とりあえず現状を把握したい。あいつが言ってたとおり事務所にアイテムがあるかも確認したいしな」
亮が静かに言った。亮はもうこの状況を受け入れたのかもしれない。
そして敦たち5人組一階には下に下りて行った。
事務室の扉を開けると教員の机の上にはパソコンなどはなくきれいに片づけられていた。そしてリュックが5つが置いてあった。それぞれのリュックには名前が書いてある。
「とりあえず自分たちのバッグに何が入っているか確認しよう」
そういって敦は自分のバッグを取り中身を調べた。他の人も自分のバッグを取り各々調べている。
バッグの中に入っているのは、水3本、おにぎり3個、渋谷地区の地図、無線機、そしてサバイバルナイフか。これが俺の武器なのか?
敦は不安になった。もしこれから戦いなどが起きればサバイバルナイフなどでは圧倒的に不利だ。武器と言っていたから拳銃などを期待していたのだが。
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