ナイト・ゲーム

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圭が愛唯から受け取ったのは宛名も何も書かれていない真っ白な封筒だった。 しっかりと紐綴じされたそれの中には、華やかな鈴蘭の便箋が閉じられており、そこにはこう書かれていた。 ************************************                   拝啓     この度、今夜0時にて『ナイト・ゲーム』の開催が決定しました。 つきましては、囲碁の高校生世界チャンピオン結城愛唯様に『ナイト・ゲーム』          の参加の旨をお伝え申し上げます。                                   敬具                   記      ゲーム参加前に以下の十のルールの確認をお願いします。 一、ゲームの参加を拒否する事は出来ません。どこにいようと深夜0時と同時に  ゲーム世界へとお連れします。 二、ゲーム参加者には皆、その命をかけて戦ってもらいます。 三、このゲームは現実世界と同じ構成をした場所で敵エネミーを倒すMMORP  Gです。 四、ゲームクリアの条件はただ一つ敵エネミーの全滅です。 五、ゲームオーバーの条件は死ぬ事もしくは他プレイヤーを殺す等の不正、違法  行為を行う事です。 六、このゲームをクリアした時、生き残った参加者全員このゲームから脱出する  事が出来ます。 七、ゲームオーバーとみなされた参加者は現実世界から消去されます。 八、ゲーム開始時、下記に示す場所で『PLAY』と叫ぶ事で、『特別参加者』  としてこのゲームに参加する事が許されます。 九、『特別参加者』として参加できるのは十代の少年少女二名に限られます。 十、このゲーム開始時に参加者に相応しい武器を配布いたします。               場所 信心山神社            このゲームはただのゲームではない                                   以上 ************************************ 「……」   そこに記載された文面を読んでいた圭の顔が曇る。 「? 圭君、どうしたの?」   そう言って、圭の手元の便箋へと視線を移した愛唯は言葉を飲んだ。 「これって……まさか……」 「あぁ、そのまさかだ。巷で噂になっているあの死の予告状だ」
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