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一面の銀世界。オーロラの光がゆらゆら。色が変わって遠方に人影を浮かばせる。
直後オーロラが消えて再び白い闇に包まれると、橙色の光が闇の中から一瞬で翔んで来て木の幹にSCAR-Lを委託していた男の肩を貫き、黒い液体が飛散する。血液は薄暗い場所ではほとんど黒く見えるものだ。
「クソッ!」
直後、橙色に光る曳光弾が幾筋も飛来してきて、着弾の鋭い音と共に岩や地面に積もった雪が舞上がり、木の幹に弾痕が開く。数発かは2人の頭上を通過ぎ、衝撃波が空気を切裂いた。
地面の窪みに一旦伏せた男は、G36Cのバースト射撃で応戦する。
「大丈夫か!?」
「ああ、何とか……」
「なら射返せ!」
2人共応戦するが、応射の倍以上の弾数が返ってくる。激しい銃撃に身を屈め、そのわずかな合間に応戦していた2人だったが、その側面にも2名の追手が回込んでくる。
「あ、クソッ!!」
肩を射たれた男がそれに気づいて片手でSCAR-Lを構え始める。追手はそれよりわずかに後に構始めたが、両手が使えるため、片手で構える男より速く狙いを定めた。
だが、倒れたのは追手の方だった。もう1人の側面に回った追手と肩を射たれた男が戸惑っていると、地面の窪みに伏せていた男も側面の追手に気付きG36を連射して追手を倒す。
「スナイパーだ!退h!!?」
追手の銃声が疎らになり、2人が顔を上げると追手は回避行動をとっていた。
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