倉敷の写真

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以前とは異なる所だったり、同じ木の前で違う格好をしたり、もう数 え切れなくなるぐらい。 でもね、全然嫌じゃありませんでした。 むしろあの時の私は、そういう扱いをされることで「自分は特別」っ て、のぼせ上がっちゃってて。 ・・・その人が好きになった、そういう話だと思ってるんじゃありま せんか? 残念ながら、そうじゃないんです。 乙女は花のように純粋だなんぞいいますがね。 年端もいかぬ女ってのはそりゃひたすら阿呆なもので、その阿呆を皆 さん純粋だのウブだのと勘違いしてるだけなんですよ。 間違いなく、あのお方は私を好いておりました。 何度も食事に誘われ、好きな人のあるなしを聞かれたこともありまし たし、贈り物もいただきました。 何度めか食事に誘われました時、ようやくあの方の真意といいます か、私に対する恋心に気づいたのでございます。
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