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――ライブハウスの裏・・・
「ウソでしょ!?ウソなんでしょマッツー!?」
もう涙は流れていた。
そんな事はユキンコにとってどうでも良い事だった。
マッツーの両腕の服をつかみ「ウソ」と言う一言を求める。
「ウソじゃねえよ・・・」
現実に逆らう事なくユキンコの望みを潰し、とある所を指差すマッツー。
ユキンコが視線を移すと、1人のスーツの中年男がこちらへ歩いて来ていた。
中年男と言っても、オジサンと言う風貌ではなく、
凛々しい顔立ちをしており、鍛えられた体はスーツに包まれていても見てわかる。
「どうも、松永君、河村ユキさん」
その中年男は、薄い笑みを浮かべながら近付いてくる。
「残念だけど、悲しんでる暇はないよ?話を聞かせてもらわないといけないから」
「クソ田島・・・」
・・・[クソ田島]と呼ばれたこの中年男・・・
名前を[田島ノブハル]と言う。
この男は、豪天町のベテラン刑事。
現場仕事を長年続けている。
"GEN武"のメンバーやユキンコとはすでに顔見知りの仲だが、
彼等にはあまり良く思われていない。
もちろん、田島自身、悪い人間ではないのは当然だが、
街の若者からは敵視されるような職業だから仕方ない。
「おいおい、早速、敵視かい?」
「・・・」
睨みを利かせるマッツーと、冷静沈着な田島。
「ツヨヤギは集団暴行事件に巻き込まれたんだろ・・・?」
「ああ、そうだよ」
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