STORY 1

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タバコを取り出し火をつける田島。 その緊張感のない行動もまた、マッツーに苛立ちを覚えさせる。 「じゃあ何を俺達に聞く必要があんだよ?ツヨヤギがいつどこで何をしてた、とかか・・・?」 「まぁそれも聞かない事はないけどね、残念ながらハズレだよ」 薄い笑みでそう返す。 「どう言う事だよ・・・?」 「そんな事をしても時間の無駄だからね」 「・・・あ?」 マッツーの後ろに隠れているユキンコに視線を移す田島。 ユキンコもそれに気付く。 「な、なに・・・?」 「・・・」 なにも言わない田島。 しかし表情が少し複雑になる。 なにか意味があるような。 「おい田島、どう言う事かって聞いてんだよ・・・!」 マッツーの言葉で再び視線を戻す。 「マッツー、だっけ?松永君」 「なんだよ・・・?」 「警察ってのはね、バカじゃないんだよ」 「・・・あ?」 タバコで一息ついて、口を開く田島。 「俺が話を聞きたいのは・・・」 視線をマッツーに向けたまま、ライブハウスを指差す。 「佐久間アキヒロの事だ」 「・・・え?」
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