STORY 1

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――とあるアクセサリーショップの前・・・ 1組のカップルが言い合いをしている。 女子高生と20代ぐらいの男のカップルだ。 「なんで買ってくんないの~!?」 女子高生の方が泣きそうな顔でダダをこねている。 「なんでって!?昨日1ヶ月21日記念とか言って指輪を買ってやったじゃん!!」 男の方が強い口調で理由を述べて制御している。 「じゃあ今日は1ヶ月22日記念でしょ!?」 女子高生の方が泣きそうな顔で無理のある事を言っている。 「アホか!?毎日記念日にしてどうすんだよ!!」 男の方が強い口調でツッコミを入れる。 「もぉ~~~!!ツヨヤギのバカァ~~~!!」 「うっせーな!!俺も金ねえんだよ!!」 [ツヨヤギ]と呼ばれた男・・・ 名前を[八木ツヨシ]と言う。 "GEN武"のドラムを担当しており、 年齢はアキヒロとマッツーよりもひとつ下だ。 「ったく・・・」 ツヨヤギが歩き出そうとするが、 女子高生の方が腕をつかみ行かせようとはしない。 「お願い・・・」 ツヨヤギの心に衝撃波が打たれる。 「うっ・・・」 女の武器でもある『上目遣い』と『甘い声』・・・。 大体の男は防御できない。 「わ、わかったよ・・・買えばいいんだろ買えば・・・」 「わ~い♪やっぱツヨヤギ大好き!!行こ行こ♪」 ツヨヤギの重い足取りを無理にひっぱる女子高生。 「ユキンコ・・・"GEN武"のファンだったらもう少し考えてくれよ・・・」 「ちゃんと考えてるって!!」 ・・・この面倒な女子高生の方は、 名前を[河村ユキ]と言い、[ユキンコ]と言う愛称で呼ばれている。 すでに私服化している制服姿で、 ギャルのような派手な風貌ではないが、 ナチュラルメイクで童顔、髪は少し明るく染めている。 「あ~あ、またアッキーとマッツーに怒られるよ・・・」 ツヨヤギのため息が空気を白くする。
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