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ドスッ
『あわッ』
だ…誰かに後ろからロッカーにおしつぶされた。
え…誰!?
『だ…れ…』
大きく僕の頭上に伸びた手は一生懸命取ろうとしても取れなかったノートたちを軽々と取り出す。
『困っている女の子には優しくしないとね~』
『…先輩。僕、男ですってば…』
取りだしてくれたのは
僕が外で所属しているサッカーチームの
鈴宮駕芽(すずみやかごめ)先輩。名前が珍しいから一発で覚えてしまう人が多い
『こんな可愛いー顔してるから女の子かと思ったわ~』とわかってたくせに僕のほっぺを笑いながら片手でつつく。
その時、小説でみた先輩キャラを思いだしてしまった。
『やっやめてくださいッ』バッと後ろを向き先輩を押し返す。顔が赤くなっていくのが自分でもわかった。
『なに~?可愛いって言われて嬉しかったの?』
『違います…。ノ…ノートはありがとうございました!それでは!』
走ってクラスに戻ろうとした時
『七海!』
『何ですか!!』
ちょっとイラつきながら返事をした。
『放課後な。』
くしゃっと笑った顔が
イタズラぽかった。
『…。はい』
無愛想に言ってしまったことに少し後悔しながら
重たいノートたちを抱えクラスへと戻った。
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