0人が本棚に入れています
本棚に追加
「かゆいところはー?」
わしゃわしゃと髪を洗いながら問いかける。結局僕が入れることになっている。
いや、ボロボロなまま家に置いとく訳にはいかないし?拾って来たの僕だから仕方ないっていうか……ダメだ、全部言い訳にしかならない………(泣)
「ないでーす」
「じゃあ流すから目、閉じとけよー」
そう言うと黒音は目をきゅっと閉じる。不覚にもそれを可愛いと思ってしまう僕がいる。
全部流し終えると、黒音が振り返ってするりと首に手を回してくる。
「ちょ、服濡れる!」
「ねぇ、玲ー。一緒に入んない?」
唇がくっつきそうになるくらい顔を近づけてくる。
「わーー!やめろってぇ!」
黒音は離れてから、クスクス笑う。
「冗談だよ、ご主人様。」
「っ!お前は………!もういい!身体ちゃんと洗えよ!」
そう言って風呂場から出て、濡れた服を着替える。
脱衣所を出てリビングのソファに座る。
「なんなんだ、あいつ……」
そう呟いてから恥ずかしくなる。
顔が熱くなるのを感じて、さらに恥ずかしくなる。
最初のコメントを投稿しよう!