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ちょっと待ってと言えず、私は慌てて隣を歩く。
ヨシトモはまるで2人でいる事を見られたくないかのよう、早歩きだ。
私はこの日の為のヒールの靴では辛くて、着いて行くのがやっとだった。
やっぱり彼女がいるんだ・・・。
私の脳裏によぎる不安。
悲しみ。
これから起こる楽しさを打ち消す事ばかりが頭の中を覆う。
ヨシトモが足を止めたのは、駅から少し歩いた所で、飲食店がひしめく所だった。
私はやっと止まったと安堵するとともに期待も高まる。
「ここのパスタね、一度食べたら忘れられないから」
そういうとさっさと入るヨシトモ。
私も慌てて入る。
店内は少し薄暗く、明らかに雰囲気は大人のものだった。
店員が私達をテーブルへと案内すると、そこは個室風で、私は緊張した。
「落ち着くだろ? ワインの品ぞろえもいいんだ」
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