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ただ一つだけ、問題があった。
父親の暴力だった。
その手は少女Nの母親をはじめ、
少女Nの一つ上の兄と、
少女Nにも被害が及んだ。
少女N曰く、
ある日は夫婦喧嘩の脇を通ると
父親の大きな手で口と鼻を塞がれた。
また別の日は、兄が父親に爪を切ってもらうのに
はさみで爪をガジガジに切られ号泣する。
いつもその盾となっていたのは、
少女Nの母親だった。
母が捨て身で父を殴り、
注意を向けて自分が殴られた。
鮮明な記憶。
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