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少々Nは闇を抱えていった。
少しずつ、確実に。
幼稚園生の時の少々Nの趣味は、
自分の体に絆創膏を貼ること。
怪我なんかなかった。
父親の暴力の盾は母親がしていたから、
少々Nの体には傷一つ付くことがなかった。
少々Nはミイラのように、
片足に約10枚ずつ、
腕にもペタペタ絆創膏を貼っていた。
母親にはがすように言われても
拒否した。
はがさない絆創膏のあとの黒ずみがたくさん体に残っていた。
お風呂で自然に絆創膏が取れれば、
またはがれたところに絆創膏を貼る。
貼ってははがれ、またはって。
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