校門にて。

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霜月。 11月。 空はどんよりと曇っている。 まだ、紅葉が少しばかり残っており、寒い冬がくるにはまだ程遠いのを感じさせる。 ここは、大阪の東大阪市。 場所は、大阪の中部ぐらいでやや東側に位置しており、旧国名でいえば、河内地方に位置している。 鉄道の近鉄線が上町大地の天王寺区の上本町駅から発して、布施駅から二又に伸びており、真東に進むのは近鉄奈良線。 そして、東南方向に伸びているのが大阪線。 そして、物語の舞台は、その二又に別れたまん中に位置している場所にある国立北近畿大学の校門から始まります。 「あぁっー、うっとおしいッ!」 思わず、叫んでしまった。 理由は、この校門で大親友の木村優奈を待っている間、三回も男共に声をかけられたからだ。 理由は簡単。 ナンパ。 私が器械体操の有名選手で、この前、週刊誌にデカデカとレオタード姿の写真が掲載されたから。 掲載されるのは、よしとしよう。 器械体操で好成績を残したのは誇るべき事だし。 でも、写真が写真だ。 よりにもよって、段違い平行棒の種目の時の、飛び越える時の思いっきり開脚した瞬間を撮られたんだから、始末がわるい。 まあ、見出しは『東洋の妖精、王蓮華!華麗なる円舞!』は、褒めてもいいと思う。(赤面) でも、あの開脚の瞬間はないと思う。 せめて、床のフィニッシュの場面にしてほしかった。 なんせ、週刊誌の表紙一面デカデカと掲載されてるんだから。 私がそれを見たのは、大学に行く途中のコンビニだった。 瞬間、真っ赤になって顔かくしてその場から逃げたわよ。 当たり前だって。 あんな、男共の喜ぶような写真載せられて喜ぶ女子選手いない! まあ、中には撮られて喜ぶ変わった娘もいるかもしれないけど・・・・。 まあ、他人はともかく、私は絶対に絶対、嫌だ。 何が悲しくてあんな写真載せてほしいかってのっ。 出版社には、大学を通じて抗議してもらったけど。 だけど、時すでに遅かった。 その写真のおかげで、しらない男共に声をかけられる事になってしまった。 思い出したらホントにムカついてくる。 中には、そのポーズを求めてくるバカも中にはいた。 無論、丁寧にお断りをした。 社会的な立場もあることだし。 昔なら、問答無用の平手打ちくらわせてたわよっ(怒) 新聞や雑誌に載り、ニュースになってから騒ぎ出す奴ら。 私は、こういう人達が絶対に絶対、大嫌いだ。
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