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私達が試合ができる歳になって、試合用のレオタードが配られる事になった訳。
もちろん、代表ナンバーワンは優奈で、その次に私だった。
リーダーは優奈でサブリーダーは私。
レオタードも二人だけ特別のデザインだった。
優奈が桜色で花びらが舞っているデザイン。
私は紫色で、星が散らばっているデザインだった。
他のみんなはクラブのユニフォームの歴代のやつ。
みんな、私達二人をうらやましく見ていた。
でも、私は嫌だった。
それで、それを着て練習することになり、更衣室に入った。
優奈、この時、凄く喜んでた。
はしゃいでたな。
見てて微笑ましかったわね。
だけど、私はレオタードを持ってロッカーにもたれかかって悩んでいたの。
なんで、こんなの着なきゃいけないのっ!
その気持ちで一杯で、泣きそうになっていた。
そうこうしてるうちに、みんな、レオタードを着て出ていった訳。
優奈なんか、おおはしゃぎで、嬉しそうに飛び出していったけ。
私は一人残されて、レオタードを見てた。
体操、やめようかなって思ったな。
だって、恥ずかしかったし、やっぱり、見せ物にされてると、あのときはそう思ったんだもん。
そしたら、突然、優奈が入ってきたの。
心配そうな顔をして、こっちに駆け寄ってきた。
「ねぇ、れんふぁ。どうしたの?」
優奈は心配して私に聞いてきた。
「・・・・何よ!何しにきたのよっ!」
私はふてくされて優奈に言い返した。
でも、優奈は怯むどころかいつものあのポケポケとした笑顔で私を見つめている。
「れんふぁ、早く着替えようよぉ~みんな、待ってるよ」
「嫌だ」
私は即答で答える。
「どうして?」
「こんなの着て演技するの、見せ物みたいで恥ずかしいよっ!」
私はこの時、本当にワガママだったと思う。
「恥ずかしくなんかないよ。ほら、見て」
と、クルリと一回りして見せる優奈。
「昨日みたアニメのピーターパンに出てくる妖精さんみたいで、すごくカワイイよ。見せ物なんかじゃないよ」
優奈は嬉しそうに、笑顔で私に言ってくる。
「嫌だったら、嫌なのっ!恥ずかしいよっ!私、試合になんて出ない!レオタードも着ないっ!あっち行ってよ!」
本当に、私はこの時、ワガママでした。ホントに後悔してる。
優奈は、困った顔をして私を見ている。
私はとうとう、座り込んで拗ねてしまった。
しばらく時間が過ぎたとおもう。
そしたら、優奈がこう言ってきたの。
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