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「優奈っ!あなたも早く着替えてきなさいよっ!さくら体操クラブの期待の新人のおひろめなんだからねっ!」
私は、精一杯の笑顔で、震える足を必死にかくしながら優奈にロッカーで着替えるように言った。
優奈は、それを聞くと、少し私を見つめていたけど、状況を理解したのか、泣いたカラスがもう笑ったの例えのように、
「うんっ!わかった!ちょっと待っててねっ!一緒にいこうっ!」
歓喜の満面の笑みで、自分のロッカーに着替えに走った。
私は、震える足で、
『うっわっ~言っちゃったなぁ~・・・』
物凄く後悔していた。
私は手にとったレオタードを見つめる。
これ、着なきゃいけないんだよねぇ~。
ため息がでてた。
迷うに迷った数分後。
「れ~んふぁっ!」
「うひぁっ!」
突然、レオタードに着替えた優奈が現れて、驚いて私は奇声をあげた。
優奈は元気一杯の満面の笑みで私を見つめている。
こんなに着替えが早いのは多分、嬉しさ一杯で短パンとTシャツ、そのままロッカーに投げ入れてきたんだろうなぁ~。
優奈、小さい頃、時々、服たたまずに練習に出る時があって、ファム姉と私が注意して叱る時があったからね。
それで私。
この笑顔を見て、着ないなんて言えなかったなぁ・・・。
これで、私が着るのやめたら、完璧に悪者じゃん・・・。
仕方ないか・・・。
私は観念して、さっきのように、歯をくいしばり、もう、やけになったように勢いで服を脱ぎ、レオタードを着て優奈の前に立った。
「わぁ~」
私のレオタード姿を見て、感嘆の声あげ、キラキラとした瞳で優奈は私をジッと見つめる。
感動したのか、頬を赤くしているみたい。
「もうっ!じろじろみないでよぉ !」
思わず、顔が真っ赤になり、私は優奈に背を向けて恥ずかしがった。
「れんふぁっ!すごくカワイイよ!ホントにホントの妖精さんみたいっ!」
優奈は、心からそう言ってるらしく、私のレオタード姿をほめてくれた。
私は、優奈はウソをつかない娘って知ってたから、素直に喜ぶことにする。
「えっ!?あ、ありがとう・・・」
「いこうっ!みんな待ってるよっ!」
優奈は、先に更衣室の出口に向かう。
私も、仕方なくついていった。
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