プロローグ

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目線の下を車が走ってる。 暗闇の中、見えるのは車のライトだけ。 ふと、笑みが零れた。 私の心も暗闇だけどライトが見えるだけここの方がいくらかマシ、か。 私がいるのは放課後の学校の屋上。 なぜこんな所にいるかって? クラスからいじめられて生きる意味を見いだせない。 あるのは暗い世界だけ。 そんな私が選ぶのは“死”。 ここから落ちれば楽になれる…―――。 落ちようとして思い留まった。 怖くなったわけじゃない。 死ぬのなんて怖くないから。 私が思い留まったのは“あいつら”の顔が頭に浮かんだから。 あいつら…――私をいじめてる奴らのこと。 人の人生を滅茶苦茶にして笑っている奴ら。 許せない。 まだ、死ねない。 ここで死んでもあいつらが喜ぶだけだから。
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