流転3

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遣って来ました、第3格納庫! おほっ! 色んな戦車殿満載っす。 どれに乗せて頂けるんでしょ~かねぇ。 小型から大型まで… 大型? デカ過ぎじゃねっ!? 「おぅ、来たな、暴れん坊主!」 いきなし、後ろから背中を叩かれたぁっ! バシィインッてなっ! 痛すっ! 何ぞ! 「キサマが、グレッグが受け持った小僧であろう?  儂はキャリヌ曹長だ。  グレッグからは、色々と聞いとる。  前代未聞のツアー客らしいじゃないか!  あのグレッグが困っておったわい」 そう告げ、豪快に笑う。 「しかし…  ツアー客が、バトルポッドへ乗るとはなぁ。  まさしく、前代未聞。  しかし、演習場で何かあったようだが…  無事に戻ったようで、重畳、重畳」 心配してくれた様である。 けど… その原因… 俺っす。 言わないけどね。 「軍曹から此処へ行くように告げられたのですが…  合っておりましたでしょうか?」 そう尋ねる。 すると… キャリヌ曹長は、ニヤリと笑って言う。 「おぅ。  アソコに見える戦車に乗せてやる。  この国最大の戦車、GR-MSSTu3だ。  大きさ、走行速度、装甲厚。  全てが最高の戦車と言えよう。  まぁ、乗ってみるが良い」 そんなん言われてから案内される。 ほっへぇ~ でっけぇなぁ、おい。 こんだけデカかったら的じゃん。 って…んっ? あれは… 結界魔法陣! 最近の物だな。 あれならば、装甲以前に結界で攻撃を弾くな。 しかし… 乗るのに梯子を使わないとダメって… どんだけやねんな。 内部は… 結構、広い。 操縦士、砲撃士、探索士、通信士、車長。 計5人の構成か… 俺の席は… おろっ? 砲撃士? なんで、また? 「昨日の射撃訓練を見ておったぞ。  演習場も落ち着いたと聞いた。  アソコで、たぁ~んと撃たせてやろう」 ニヤリと曹長殿。 アザス! けど… 「1つ、我が儘言って良いっすか?」 ダメ元よ、ダメ元。 「なんだ?」 不思議そうな曹長。 「演習場までで良いっすから、戦車を運転できないかと…」 ダメかなぁ。
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