流転3

28/102

4023人が本棚に入れています
本棚に追加
/755ページ
しばらくナビに従い走らせる。 前方に、別の戦車。 軽くかわして進む… ぬっ! 抜き返して来やがった。 ……… ふぅ~ん… 軽く、アクセルを踏み込む。 再び抜く。 するとだ! またまた、追い抜いて来やがった! ピキッ! 俺、額に青筋… やったんよ、たーけがぁっ! 何人たりとも、オラの前を走らせねーだっ! アクセル全開! おお、曲がり道ねっ! おらっ! ドリフトじゃいっ! 戦車内部は安定。 慣性を中和する龍導機でも、仕込んでんのかねぇ。 トップスピードからドリフト。 グリップと同時に加速。 次のカーブ。 再び、ドリフト走行。 後続戦車を引き離す。 ふん。 どんなもんだっ! その後、軽くステアリング。 「な、なぁ…  リュシュ君。  落ち着いたかい?」 キャル操縦士殿が話掛けてくれていたようだな。 つい、我を忘れて、熱くなってしまったぜっ! 「戦車乗りは、気が荒い者が多いんだよ。  あまり、ムキになって相手をだねぇ…」 キャル操縦士殿が、そんな事を告げるが… 「ぶぁかもぉ~んっ!  売られた喧嘩をスルーしてどーするっ!  お飯事している幼児じゃあるまい。  我らは兵士。  無用な争いは避けねばならぬが…  売られた喧嘩まで避けてどーするっ!」 キャリヌ曹長が怒鳴る。 なぁ~んか、俺。 この人とは、波長が合いそうだわw 「しかし…  この戦車をドリフトでブン回すとは…」 あっ、でも、ヤッパ怒られる? 「気に入ったっ!  なかなか豪気なヤツ!  キャルは腕は確かだが、思いっきりが足りん!  リュシュだったか…  よし、やれ!  ブン回して良しっ!」 「ちょ!  曹長殿っ!」 慌てるキャル操縦士殿。 許可は出た… では…行くぜっ! 何人たりともぉっ、オラのっ、前をっ、走らせねぇ~だぁぁぁっ! フルスロットルでつ。 カーブは全てドリフト。 全速で駆け抜ける戦車。 アッと言う間に演習場。 楽しかったぜっ!
/755ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4023人が本棚に入れています
本棚に追加