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「き、君ねぇ…
キャタピラの戦車でドリフトって。
下が土で、車体が重いからグリップしたけど…
公道だったら大クラッシュだからね。
車とは扱い方が違うんだ。
余り無茶しないようにね」
はい、お叱り受けましたぁっ!
「キャル!
この、だぁほがっ!」
キャリヌ曹長の一喝!
いやぁ~
雷が落ちるって言い方があるが…
納得。
まさに、轟音。
雷が落ちた如しである。
「リュシュはツアー客。
公道など走ることなど無いわっ!
寧ろ、リュシュの思いっ切りの良さを見習わんかっ!」
うえっへっ!
デカい声で、おっかねぇ。
爺ちゃんに匹敵だな、こりゃ。
でも、急にトーンが下がって…
「キャルよ。
確かに、沈着冷静で確実。
これは必要な事だ。
おまえには、それがある。
その点は認めておる。
だがな、キャルよ。
儂ら兵士は、それだけではダメなのだ。
思いっ切りの良さにて判断を行う…
刹那、刹那で判断を要する場合が多々ある。
躊躇い、一瞬の躊躇が命とり。
それが、戦場。
この坊主は、一見熱くなり無茶をしとるように見える。
じゃが、素早く路面の状態、道の先を画面を切り替え確認しておったわい。
冷静かつ大胆。
キャルよ。
おぬしこそ、この小僧を見習い盗め。
良いな」
孫を諭す様に告げる、曹長。
益々、爺ちゃんみてぇ。
こりゃあ、波長が合う筈だわっ!
「さて、リュシュよ」
「はいっ!」
なんだろね?
「これから、砲撃をして貰おうと思ったのじゃが…」
曹長の歯切れが悪い。
変だな?
「此処で何があったのだ?
的になる残骸が溢れておったのだが…
なんで綺麗に更地なのだ?
まるで清掃した後のようなのだが…」
困惑顔の曹長さま。
あっ!
それ…
「すんません」
「んっ?」
「それ…
俺のせいっす」
仕方無しに、先程の話をする俺。
本当に、すんまそん。
テへっ☆
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