流転3

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そうか、そう言う事なら納得かな。 恐らくは、龍力圧弾の実弾部分がペイント弾なのだろう。 それならば模擬戦も可能だ。 んっ。 さっきから通信対応していた通信士が、曹長へ告げる。 しかし… 内部が広いやね、この戦車。 昔に見たアニメ。 宇○戦艦ヤ○トのブリッジを縮小した様な造りっうたら分かるかな? 無論、艦長席が車長席ね。 近未来的っう~んですか? オタク達に見せたら興奮、垂涎の環境かもね、これ。 まぁ、軍事秘にて、一般公開されて無い様だ。 残念ねぇ。 席から立って後ろを向いている、俺。 そんな俺の右側に、通信士の席がある。 そこから振り向きつつ告げているな。 「曹長殿!  ガプヌート曹長から入電です。  出られますか?」 そんなん告げる。 恐らく、相手側の車長だろう。 いや、もしかしたら、戦車団の纏め役か? 「良かろう。  メインモニターへ出せ」 俺の所からは、メインモニターは見えない。 ただ、砲撃士のサブモニターへは、メインモニターの情報が映し出されるんだ。 なので、慌てて席へと着く、俺。 「相手側、出ます」 通信士が告げると、モニターへ頑固そうな老人が移し出された。 「おぅ、ガプヌート。  どうしたぃ?」 気楽に尋ねる、キャリヌ曹長。 「どうしたじゃねぇっ!  無茶な追い抜き掛けやがって!  どー言うつもりだぁ、ああん?」 あれっ? そんなに、無茶な追い抜きだったか、あれ? 十分な道幅はあったし、楽々抜いた筈だ。 相手が剥きにならなければ、普通に走ってたよな、俺。 「無理?  そちらが遅いので、抜き去っただけだが?」 「ふざけんなっ!  図体だけデカい木偶の坊戦車を転がしよってからにっ!」 そんなに、怒鳴り散らすなよな。 「そんな、木偶の坊戦車に抜かれて置き去りにされた戦車は何処の何奴かね?」 うわっ、辛辣! 「けっ。  キャルの腕が良いだけじゃねぇか。  しかし…  キャルへあんな走りを強要すんじゃねぇよ、おまえはよぉ」 あれ? キャルさんの操縦と間違われた? すんごく、光栄です。
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