流転3

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「リュシュ君…  ホーント、熱心だね。  シュパングでは車を?」 あっ、知らないんだな。 「いやいや。  シュパングには、車なんてありませんから」 俺が教えると… 「ああ。  君は持って無いんだね。  若いし…  じゃぁ、ご両親の?」 あや、勘違いしちゃったか… 「いや、そうじゃ無くてですね。  シュパングと言う国には、乗り物が存在しないんですよ」 そう告げると… 戦車が急停止。 キャルさんがマジマジと、俺を見る。 戦車が急停止したので、キャリヌ曹長から怒声が飛ぶ! 「キャル!  何をしとるかぁっ!」 慌てて車両を発車させる、キャル操縦士。 そして、俺へ尋ねてきた。 「今の話…どう言う事?」 操縦士であるキャルさんにとっては、看過できない事だったみたいだな。 なので俺は、シュパングが転移国家だと言う事を説明。 「信じられない国だね。  乗り物が無いなんて…  僕には耐えれそうに無いよ」 そう告げて苦笑。 そして… 何かに気付いたようだ。 「それにしては…  君の運転技術は素人のモノではなかったような…  特に初めてでミッションを操るなんて無理だよね?」 ですよねぇ。 「実はですねぇ…」 俺は、他国に購入した車がある事を説明。 元は叔父さんの車だ。 色々と弄ってあるチューンドカー。 新しい車を買うから、俺達へね。 格安だけど、1人で買うのは無理。 叔父さんの峠攻めには、俺と従兄弟2人も巻き込まれている。 まぁ、それで嵌まる訳だが… 俺達が車を借りる頻度も高くなってな。 それもあって、叔父さんは新しい車を購入さ。 ガレージには転移陣が設置されている。 シュパング人の個人用だな。 シュパング人にしか反応しない。 シュパング人が同行したら別だがな。 それを使いガレージへ。 駐車場を出ると、直ぐに峠。 走り屋のメッカだな。 叔父さんと俺達は、結構有名なんだぜ。 此処は峠攻めの許可地なんだ。 だから、一般車は通らんのさ。 一方通行の道が6本。 って訳で、趣味人が集まるってね。 聞いたキャル操縦士。 一瞬、羨ましそうな顔。 乗り物…好きなんだねぇ。
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