流転3

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「俺…私に会いに来られたって…  どういう意味なんです?」 思わず尋ねちまったぜ。 確かに爺さんとは、列車で意気投合。 色々と話したさ。 料理を一口食べるだけで済むようにしてくれたしな。 溢れる郷土料理… いや、美味かったぜ。 美味かったが… あの量はな… 軽くトラウマだ。 俺は、フードファイターじゃあ、ねぇーてぇーのっ! まぁ爺さんと知り合った事で、孫のマリエルちゃんとも、親しくなった訳だが… クパート君に、睨まれたがな。 「ふむ。  マリエルが、君に会いたいとのぅ。  いきなりは、不躾過ぎる故にな。  それにじゃ。  この基地でのツアー客が、少々面白い事をしておるとな。  我が軍では噂になっておるのじゃよ」 はぁぁっ!? どゆ事? 「それは、ワタクシの報告書が原因なのでしょうか?」 お姉さまが、困ったように告げる。 「ふむ。  ロンザ文官少尉であったか…  そなたの、簡素で分かり易い報告書も読んでおる。  じゃが、グレッグ軍曹の報告書が原因じゃな。  いや、先程の最新報告書では…  キャリヌ曹長、ガプヌート曹長の報告書。  あれは、なかなかに面白い内容でな。  その直前のグレッグ軍曹の報告書と合わせ、なかなか楽しませて、もろうたわい」 そんな事になってたのね。 参ったなぁ。 「あの時も、なかなかに楽しませて貰うたが…  報告書を読んで、再び会いとうなってな。  それで、今日の運びとなった訳じゃ。  儂としては、迎賓館などと大袈裟な事は嫌じゃったのじゃが…  周りがのぅ」 爺さんも爺さんで、色々と大変みたいだな。 「閣下」 執事がタイミングを見て話し掛ける。 「んっ?  なんじゃな?」 「そろそろ、お食事をと」 「おお、儂としたことが!  青年の報告書を読んだ後故、興奮しておったようだわぇ」 笑って告げる爺さん。 ほーんと、その報告書には、何が書いてんだろーねぇ。 まぁ、俺には読ませてくんないだろーけどさ。 気になるぜっ!
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