流転3

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上では、そんな話がされていたんだねぇ。 『本当に、呆れた青年ですなぁ』 『うむ。  昨日も、とんでもなかったが…  今日は、それにも増してだな』 軍曹も呆れる。 『おっとぉっ。  5体同時を手玉ですか…』 『本当に手玉だけに、質が悪いわい。  っと…  手玉が嫌で、バラけよったか。  まぁ、そう…』 軍曹、絶句。 俺、音速ぅ☆ 『あれで…  元の木阿弥か…  憐れな…』 『なんか、ゴーレムが気の毒になってきましたね。  あ~あっ。  とうとう、ゴーレムが諦めましたよ』 『ふぅ。  流石に、あれではな』 『んっ?  ゴーレムが諦めたので、手玉に取るのを止めたようですね』 『そのようだな。  ゴーレムも諦めたようであるし…  ちと、行って来る。  着陸場所を選んで、降りて来てくれ』 『分かりましたよ。  防護服無しなのですから、気を付けて下さいよ』 『了解だ』 そう告げて、コックピットを後にする軍曹。 腰に巻いた、浮遊石を使用した装置で宙を移動。 そして、俺の前へだな。 軍曹が来る頃には、生首ゴーレムも引き摺り出していた。 そして、跪くゴーレム達。 そこまでカメラが捉え、リジェクターが着陸。 俺がリジェクターへ近付き、画像から消える。 その後、バトルポッドに搭乗した俺が現れ… リジェクターが飛び立つ。 そして俺が消え… 残骸が消し飛ぶ! 続いて丘が消失。 『何を仕出かすか分からん青年ですなぁ』 『昨日から、この調子でな。  胃薬なんぞ、初めて飲んだわぃ。  上官殿の苦労が、ようやく分かった気分だ』 『?  初めて飲まれた胃薬は支給品で?』 『いや。  上官殿から頂いてな。  {これでキサマも、一人前だな}とっ、告げられてしもうたわい』 『……… ……… ………』 『……… ……… ………』 『リュシュ…  キサマ、何をしておる?』 『いや、アチコチに残骸、一杯っしょ。  だから、それを集めて積んでんっす』 『止めんかっ!  この、ド阿呆っ!』 『た、待避だ!』 『分かっております!  これは、上だっ!』 画面が急激に揺れ… 目の前にキノコ雲! こ、これ… こわっ!
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