流転3

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「ふむ…  シュパングでの失業率は鰻登りと聞くが?  早い者ならば、既に海外の企業とコンタクトを取る時期と聞くがのぅ」 ……… ……… ……… 爺さん…思った以上に、情報通なんですね。 「まぁ…そうですが…  でも、まだ2年もありますしね」 一応、惚けておく。 間違っても兵士だけは嫌だ。 人殺しにだけはなりたくない。 シュパングは永らく泰平の世を謳歌して来た。 戦争どころか、殺人事件や事故死さえ無い世界。 自然災害も、転移にて抑え込む。 医療の世界にも、転移技術は根強く浸透。 つまり… 人の死と、程遠い国。 それが、シュパング。 死ぬのは老衰。 それ以外は滅多に人が死ぬ事はないんだ。 そんな国で産まれ育った俺。 力は持ってはいる。 だがな… 覚悟は無いんだよ。 だから軍隊はヤダ。 まぁ爺さんは、俺を軍に勧誘したいんだろうがな。 けど、そんな俺の考えなど、爺さんにはお見通しだったようで… 「実はのぅ。  軍の関連会社にて、テストパイロットを募集しておるのじゃ」 そんな事をな。 「へぇ~  テストパイロットて、素人でもなれるんっすか?」 オラ、飛行機なんて操縦できねぇ~だよぉ。 「いや、まずは少尉以上の階級が必要じゃな。  これは、士官学校へ転入して貰えば良いでな」 ちょ! 俺が既にテストパイロットになる前提ですか!? 「そして…  何の、じゃったな。  それはじゃな。  おぬしが乗ったバトルポッド。  あれの強化版と言えば良いかものぅ」 バトルポッドの強化版? 益々、訳が分からん? 「実はじゃ。  またまたシュパングが、新たな装置をのぅ」 また、なんだろね? 「龍力の圧縮放出を阻害する、フィールドらしいのじゃ」 爺さんの言葉が、しばらく、頭に入らんかった。 龍力の圧縮放出を阻害。 でっ… だから、何ってな。 だが、良く考えるとだ…龍力弾は、龍力を圧縮して放っている。 龍結晶カートリッジの方も、圧縮した龍力を起点に放たれる。 つまり… 龍力の圧縮を阻害したら、弾や龍力を放てなくなるっう事かな? それって… 今の銃器が全てオシャカってか!?
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