流転3

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「そんな訳が分からぬ事をしながらじゃ。  未だに、操縦席と本体を隔離しての開発。  一体、何をしておるのじゃっ!」 爺さん、ご立腹。 だが… 「爺さん、爺さん。  そりゃ無理だて」 俺が告げると爺さん、不思議そうな俺を見る。 「何故じゃな?  工場現場などではジョルド程では無いが、大型が稼働しておろうに」 ちょっw あちらは脚部がキャタピラー。 しかも、作業中は支えを地面へ刺している。 倒れたりするのを防いでいる訳だ。 つまり、操縦席へ掛かる衝撃などは無い。 戦闘用では無いのだから当たり前だな。 それが理解できて無いようだ。 「あんなぁ、爺さん。  あちらの移動はキャタピラー。  しかも、作業現場内の限られた場所だけだよ。  長距離はトラックなどで搬送だしな。  作業中は支柱を出して本体を支えて作業してるだろ?」 頷く、爺さん。 「それに比べて、ジョルドだけど…  爺さん、上下に揺れ動くビルを想像してくれ。  そうだな。  縦揺れの巨大地震だな」 爺さん、目を瞑り黙考。 「それが、ジョルドのコックピットなんだよ」 目を開けた、爺さん。 マジマジと、俺を見る。 「二足歩行で、コックピットは上下するよ。  走ったりしたら、益々だな。  更に格闘?  ビルから何回飛び降りるの?ってな。  そのマシン。  非常に危険だからさ。  諦めたら?」 俺が告げると… 「そうは、いかんのじゃ」 困り顔の爺さん。 何で? 「シュパングでは、実用可能機が開発出来ておるそうでな。  近々、量産の目処も付くとか…  アチラの品は非常に高価でな。  数機購入が関の山。  それを考えると、自国にて開発ものぅ」 シュパングぅwww 我が母国ながら… 何しとんの?
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