流転3

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脂汗タラタラの俺。 爺さん、ニンマリ。 大佐、苦笑して仲裁。 「閣下。  少々性急過ぎますわ。  相手は学生ですし…  しばしの猶予を与えては、如何でしょう?」 マジ大佐、男前っ! 女性だけどさぁ。 大和撫子だけどさぁ… 惚れてしまうやないかぁ~ぃ! 「ふむ。  確かにのぅ。  余り虐めて、後でマリエルに知れたら事じな。  あい分かった!  青年よ。  3日の猶予を与えようぞぇ」 短っ! だが… ズルズルと先延ばしにしても、仕方ないかぁ。 「分かりました。  検討しますよ。  けど…  必ず要望に添えれるとは限りませんので」 一応は釘を刺す。 この選択肢を選ぶとしたらだ。 まずは両親に報告が必要だろうな。 更に、嵩鮮教授にもだ。 大学から此方の士官学校への編入もある。 爺ちゃんにもバレるだろう。 その際の悶着を考えると、頭が痛いな。 まぁ、昼食は美味かったし、満足だ。 確かツアーは昼で終わりの筈だが… 「そうじゃ、青年。  ツアーの終了に、リジェクターとワイドマンを、操縦して行くが良い。  儂から話を通しておいたでな」 爺さんが、そんな事を告げる。 いや、リジェクターって… ヘリの代替えとして採用されている、飛空艇だよな。 あれを操縦させて貰えんの? マジで? でもさぁ… ワイドマンって? 「閣下!  ワイドマンって、戦闘艇ですわよっ!  素人に、なんて無茶を!」 大佐が慌てる。 すると爺さん、ニヤリと笑って告げる。 「バトルポッドと戦車を操る素人かのぅ。  まぁやらせてダメじゃったら止めれば良いだけじゃ。  ものは試しじゃ。  何事も経験じゃ。  のぅ、龍秀上級曹長」 そんなん告げる、爺さん…んっ? なんか…変なことを告げんかったか? 今、俺を… 「あの~、閣下。  ツアー客の最大階級は二等兵ですが?」 お姉さまが、代わりに尋ねてくれた。 アザス! 「儂の一存で、上級曹長扱いじゃ。  他の階級の階級章もポケットへ入っておるでな。  おお。  その階級章カバーは外しておくが良いぞ」 そんな事をね。 何時の間に… ああ、対ショックスーツから着替えた時かっ!
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