流転3

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言い逃げし掛ける、爺さん。 部屋から出る直前に立ち止まり、告げる。 「そうそう。  3日後に宿へ使いを寄越すでな。  マリエルが楽しみにしとるで、会ってやってのぅ」 そう告げ、出て行った。 いや… 俺の都合は無視ですか? まぁ、スケジュールなんて組んで無いんですがね。 「ねぇ、リュシュ君」 「はい、なんでしょ?」 なんか… 声が怖いです、お姉さま。 「マリエルってぇ~  だ・れ・か・し・らっ?」 あっれぇっ? 何故か、背中がゾクリ!? 風邪でも引いたかな、俺? 「え~っとぉ…  マリエルちゃんっすか?」 頷くお姉さま。 なんか…迫力…コワいんすが… ホント…なに!? 「え~っとですね。  来る時に、列車で知り合った、女の子ですね。  弟のクパート君と一緒に話をしたりしてましたけど…  それが、なにか?」 マジで何事? 「へ、へぇ~  弟君と一緒でねぇ~」 何故か納得のお姉さま。 一体、どうしたんだろ??? 「若いって、良いわねぇ~」 大佐が、そんな事を… お姉さまの顔が真っ赤に? 「大佐ぁっ!  そんなんじゃ、ありませんからねっ!」 「どうかしらねぇ~  それより、そろそろ行かないとねぇ」 軽くかわして、部屋を出て行く、大佐殿。 一体…なんだったんだ? 「ロンザさん?」 真っ赤で俯く、お姉さま。 ホント、どうしたの、お姉さま? 「あっ!  な、何でもないのよ、本当。  それより、早く行きましょうか!」 慌てた様に告げる、お姉さま。 本当に、どうしたんだ? 取り敢えず、迎賓館から移動する事に… なんか… 来る時より密着度が… ゲフン、ゲフン! うわ~っ… お姉さまから、良い香りがぁ~ クラクラしそう。 サラサラヘアーから香る様だ。 嬉しいけど…嬉しいんだけど… ハッキリ言って、戸惑ってます。 一体、どったの、お姉さま?
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