流転3

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なんか様子が変わった、お姉さまに連れられて移動。 たどり着いたのは、格納庫前。 そこに鎮座するのはリジェクター。 朝のパイロットさんが待っていた。 「では、私は此処で。  帰りに迎えにくるからね。  無茶しないでよ、リュシュ君」 心配そうな、お姉さま。 実に、お優しい。 アザス! 颯爽と帰っていかれる。 お達者でぇ~ 「おまえ…  あのロンザ文官少尉殿に腕組みでエスコートかよ…  大物だなぁ~」 いや、呆れたように告げられても… いや、そうっすか? 照れますなぁ~ 「なんか…  リジェクターを操縦させて貰えるとか?  そんなん聞いたんすが…  俺みたいのに、操縦なんて、できんすか?」 俺、不安。 「ああ。  飛ばすだけならな。  昔の飛行機やヘリコプターなどは無理だっただろう。  だが、リジェクターは飛空艇。  飛空石の力で浮遊する船って感じか。  故に、昔は大変だった離着陸が楽に行える。  後は、艇の姿勢制御や索敵能力、武器の操作位かな。  気流や突発時の判断なども求められるが…  単に飛ばすだけなら大丈夫だろう。  なんせ、リジェクターより飛行が遥かに困難な、バトルポッドを飛行させたんだからな。  俺は心配しとらんよ」 そんな、お言葉をですね… って、アレェ? 何か、変なん話が混ざっていたような… まさかねぇ… 「さて、青年!  お空のピクニックへお出掛けだ!  乗った、乗ったっ!」 急かされるように搭乗する、俺。 コックピットの操縦席へ。 副操縦席へはパイロットさん。 座席へ着いてシートベルト。 「そう言えば、告げてなかったな。  俺の名はシン・カザマと言う。  よろしくな」 へぇ~ 和名みたいな名前だね。 「では、改めて俺も…  龍秀・矢鷹っす。  何時の間にか、上級曹長にされちゃいました。  この後、准尉らしいですわ」 告げると… 固まるシンさん。 そりゃ、ツアー客が准尉になりゃ、当たり前だわねぇ。
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