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「やはり、途轍もないヤツなんだなぁ、おまえさんは」
呆れられてばかりだな、俺。
「いやぁ~
たいした事は…」
「今朝、死に掛けたんだが、俺」
遮って苦情ですか…
ごもっともです。
「それよりもですね、早く行きません?」
えっ、誤魔化した?
何そ…
「誤魔化したか…」
言っちゃらめぇぇぇっ!
「コレがイグニッションっすか?」
それらしきボタンを指差す。
「そう言えば…
文字は読めないんだったな。
ああ、それで間違い無い。
上昇、下降、旋回は、ハンドルにて行う。
速度調整は、足元のペダルだ。
右がアクセル、左がブレーキだな。
離着陸だけならば、ハンドルだけで可能。
まずは、離着陸を行ってみろ」
そんなん言います。
なんかさぁ…
車の運転に似てね?
って…
ブレーキって???
「その前に、質問良いっすか?」
思わずね。
「んっ?
なんだ?
言ってみろ」
「了解。
まずは、ブレーキなんすが…
空中で、どうやってブレーキングすんすか?」
俺が尋ねると…
呆れられた。
なじぇ~
「リュシュ。
おまえはリジェクターの推力は何だと思っている?」
んっ?
推力って?
「飛空石っすよね?」
「違う!
それは浮力に過ぎん!
推力は龍力にて操った風だ。
順風、逆風、上下左右の風。
これらを発生させ、推力を得ている。
姿勢制御やブレーキも同様。
つまり、龍結晶が積まれており、それをしょうした龍力コントロールにて飛行。
これが飛空艇が飛空する仕組みだ。
理解したか?」
成る程ねぇ…
だから、衝撃波に吹き飛ばされた時に苦労してたんだねぇ。
飛空石で落下は無くても、姿勢制御が風じゃ、苦労するわな。
「分かりました。
後…上昇って、ハンドルを手前に引けば良いっすか?」
「おおっと!
当たり前の事過ぎて、説明が遅れた。
すまんな。
上昇は手前へハンドルを引き、下降は前方へ押せ。
それで、できる」
「了解っす!
では、離陸しやぁ~す」
俺は手前にレバーを引く。
飛空石が稼働。
スルスルと上昇するのだった。
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