流転3

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パイロットスーツ纏った、俺、接近。 俺に気付いて緊張ってか? えらい若いね、兵隊さん。 尉官じゃないのかな、かな? 「ちょっと訊きたいんだけどさ」 「ハッ!  なんでありますかっ!」 鯱張って敬礼っすか。 俺、答礼ね。 「俺さぁ、ツアー客なんだわ。  此処で、ワイドマンへ搭乗させて貰えるって聞いて来た訳。  でぇ、俺が乗るワイドマン…知らねっかなぁ?」 取り敢えず、訊いて、みた。 「はぁ?  ツアー客で、ありますか?」 不思議そうに、俺を見てんなぁ。 何が不思議なんでっしゃろ? 「済みませんが…  自分は、リュシュ・ヤタカ上級曹長殿の案内の為に待機しておりまして…  持ち場を離れる訳には、いかんのです」 真面目なのねぇ、君。 そんなヤツ、放っておいて… って、ダメやん! それって、俺の事だよね。 うむ、良きに計らえってな。 「ああ。  それって、俺だわ。  俺が、龍秀・矢鷹上級曹長ね」 俺が告げると、戸惑う訳よ、彼。 何でだろね? 「ツアー客と、仰いませんでしたか?」 ああっ、成る程ね。 ツアー客の昇級上限は二等兵。 なのに、ツアー客の俺が上級曹長だもんよ。 そら、戸惑うわさ。 「爺さんに、上級曹長にされちまってな。  ツアー終了時に、准尉だってさ」 「爺さん、ですか?」 戸惑ってんな。 あっ! そいや、俺、爺さんの名前、訊いてないや! ま、いーかっ。 「済まん、名前を訊くの忘れたんだわぁ。  大佐が大将閣下ってたから…  多分、大将じゃね?」 俺が告げると、何故か固まるんだよなぁ。 ピッキィーンってな。 なんぞ? そんな事よりさぁ。 俺は戦闘艇を操縦したい訳よ、アンダスタン? 早く案内して欲しいなぁ~っと! 「なぁ、俺の乗るヤツは、何処?」 つい、催促。 仕方ないよねぇ~ だってさぁ。 案内してくんないんだもんよぉ~
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