流転3

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『ソヤツの機に積んどるのは模擬弾。  ならば、模擬戦などのぅ』 何をぉっ! そんな楽しいイベント、提案ですかっ! アナタは神かっ! 『ただ、無線は入れておけ。  パイロットスーツでの送受信は、範囲が狭いでな』 あっと… 忘れてましたわっ! 無線を、ONってな。 『リュシュ上級曹長ぉっ!  アナタ、何してるんですかっ!  自分、制御装置を切らない様に頼みましたよねっ!』 涙声のルッファラント伍長君。 『自分は、自分はぁ~っ』 あ~あっ、大泣き。 誰だよ、泣かせたのは。 『リュシュ君だったか…  君の機影がレーダーから消えた時、コイツは自分のせいだと思い詰めてな。  自害まで考えよったわ。  我が儘も大概にのぅ』 重々しいお声での叱責っす。 こりゃぁ… 洒落にならんか… しかし… 真面目過ぎんぜ、ルッファラント君。 まさか、自害まで考えるとは… 「済みません。  俺、龍覇術使えるんで、身を守る自信があったんす。  ただ…  周りの事を考えてなかったっすね。  ルッファラント!  泣くなよぉ~っ。  俺が悪かったからさぁ。  おまえのせいじゃ無いんだしよっ。  俺さぁ。  シュパングでは優等生でな。  何時も真面目に過ごしてたんだわ。  ウチの爺様の目も光ってんしよぉ~  コッチに来て、このツアーだろ。  もうな。  抑圧から解放されたから、ちょっと…  いや、大分、ハッチャケちまった訳よ。  まぁ、ガス抜きっうヤツか?  そんなんに巻き込んじまってごめんな。  明日は何か奢るからさ、勘弁してくれよ」 我ながら、情け無い声だぜ。 俺達、龍覇剣術師は規制が厳しい。 爺様の目が、常に光ってんだわぁ。 これは、碧海周辺国でも同様。 まぁ、車での峠攻め位は、息抜きで黙認してくれてるがな。 だが… 爺様の目が完全に届かない場所で、力を自由に使えるんだぜっ! こんな事は、今まで無い訳よ。 ツイな。 ふっ。 認めたく無いものだな、若さ故の過ちと言うヤツは…ってな。 テヘッ☆
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