流転3

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『そう、憮然とした顔をするで無いわ』 ディラン大尉が、含み笑いで告げる。 軍曹さぁ… 何が不満な訳? 『帰投だ、帰投!』 いきなり断言ですか、そうですか。 『ふぅ。  機嫌を直さんか。  今晩、飲みに付き合ってやる。  トトリアさんには、俺から許可を貰ってやるから…』 うっわぁ。 横に不機嫌な軍曹乗せてのフライト。 俺ならイヤだね… ……… ……… ……… んっ? 今、大尉が告げたトトリアさんって…誰? 「なぁ、ディラン大尉」 『なんだ?』 「今の、トトリアさんって…  誰?」 素朴な疑問ね。 『ああ、グレッグの嫁さんだぞ』 はぁっ? マジでっ!? 『「グレッグ軍曹って、結婚してたんですかっ!」』 ハモる事、多数♪ そら、みんな思う事は、同じってな。 『ああ、美人だぞ。  グレッグは、愛妻家であり、恐妻家でな…』 『大尉!  プライベートな話は、です、なっ!』 声…恐いよ、軍曹… 引き際、だな。 『がははははっ!  まぁなんだ。  今晩は俺が奢るで、機嫌直せや』 告げると… 『「ゴチになりま~す!」』 『キサマらには、告げとらんわっ!』 いや、ついね。 そんなんしながら基地へ。 着陸して、格納庫だな。 内部には整備班が待機中。 俺は降りると… 「ちょっと、済まんが…  ペンキ持って来て」 整備員の1人へ頼む。 「はぁ。  ペンキですか?」 「ああ、ペンキね」 すると、班長なのだろう。 厳ついオッサンが、整備員へ告げる。 「客人の所望だ。  持って来い!」 すんげぇ、迫力。 「分かりましたぁっ!」 ダッシュで移動する整備員。 済まんね。 ペンキを受け取ったので… アチコチへ、×マークね。 「何をしとるのだ!」 ギロリと班長。 俺は、シレッと告げる。 「この機体で、強度不十分な箇所ね。  龍覇結界で補強しなかったら、空中分解だったぜ、これ。  まぁ、俺が無茶したからなんだが…  後、エンジンの出力を落とすか、機体の強度を上げるべきだよ、うん」 そんなん、告げてみました。
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