流転3

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格納庫の前へ着陸… 「着陸は講堂の前らしい。  なにやら、セレモニーがあるらしいが…  少将達は、それに参加なのだろう」 な~る程ね。 俺には関係ない、ってな。 着陸する時も、穏やかに、優しく、羽毛が落ちる如しってな。 着陸したんだが… なんで、誰も出て来ん? 仕方無しに、俺がカーゴ扉を開く。 「んっ?  どうした、リュシュ。  何かトラブルか?  出発は無理そうなのか?」 軍曹が、心配そうに告げて来る。 何言ってんだぁ…この、おっさん? 「はぁっ?  何を言っとんですかっ。  着いたんですから、とっとと降りて下さいやっ!」 遂に惚けたか、軍曹! 「なにぃっ!  リュシュ!  本当に、キサマが操縦しておったのか?」 「そうですが?」 何が言いたい、この、おっさん。 「信じられん!」 ヤカマシイわっ!! 「だぁぁぁっ!  たったと、降りた、降りたっ!」 邪魔よ、邪魔っ! 俺は早く帰りたいんだよっ! 腹減ってんだかんよっ! しかし… 飛空艇の操縦が、こんなに疲弊するモノだとはな。 お陰で、またまた空腹だぜっ! 「ああ、リュシュ君!  到着したのねっ!」 あっ! ロンザお姉さま♪ お出迎えして頂けるとは、光栄です。 「こっちよ。  大変な事になったわねぇ」 えっ! 何が? 俺が戸惑っていると… 「あらっ?  リュシュ君…  何も、知らされてないの?」 「え~っとぉ…  何でしょ???」 ほ~んとぉ… なんだろね? お姉さま。 困った様に、軍曹を見る。 この…おっさん… 顔を背けやがったぁっ! 伝え忘れかっ、そうなのかっ! 「あ~、なんだ。  その、済まん。  言い忘れとったわい。  リュシュの為に、セレモニーが開かれるらしい。  詳しい事は、儂も知らんのだ」 は、はぁぁぁぁっ! 俺用のセレモニー!? なんぞ、それ?
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