流転3

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「あの洞窟は、数多の岩氷柱が連なる洞窟でな…  人が立ち入るだけで岩氷柱が落下する危険洞窟。  故に、立ち入りは禁じられておった訳じゃ」 あ~、なる。 そら、死に掛けるわ。 国からのお咎めかな… ヤバいぜ!! 逃げて良い? 「じゃが、貴官が洞内を飛空すると言う荒技を行った為、全ての岩氷柱が落下したようでな。  洞窟内への立ち入りが可能となっておる」 あれ? お咎めじゃ無いのかな、かな? 「そしてじゃ!!」 うわっ! 急に声を張り上げんなしっ! 「貴官が機乗した機に搭載されたカメラにて、レアメタル鉱床が複数発見されたのだ!  詳しくは、現在調査ではあるが…  世界的にも希少かつ需要が高い鉱石が含有されておる。  これによる国益は、測り知れんであろう。  この功績を称え、シュランプ国籍ならびに、国家栄誉勲章を与えるモノである。  なお…  わが国の鉱床発見者には、権利の三割が割り当てられるものである。  これが勲章と目録だ。  受け取りたまえ」 二重国籍ぃぃぃっ!! 「また、国籍の件は、シュパング首相経由にて認可済みなので、安心するようにな」 もうね… 開いた口が塞がりませんて… ま、受け取りましたよ。 ええ、受け取りましたさぁっ! 「ようやく、私の番かね?」 今度は… ミルター教授? なんぞ? 「まずは、ゾイト少将閣下、ミュジャル大将閣下。  龍秀を尉官へ任命、ありがとうございます。  これで彼は士官学校へ行く事なく、プロジェクトへ参加出来ると言うもの。  なにせ彼は、嵩鮮教授の助手の1人として活躍する、有能な工学大学生。  しかも、かの機開発のモニターでもあります。  彼をソルボンヌ大学へ迎える事は、嵩鮮教授を迎えるのと同様!  国家プロジェクトへの多大な貢献ですなっ!」 鳶に油げ、訳ワカメ。 っか! 俺の留学は決定かっ! 何を勝手な事を! 流石の俺でも、怒っちゃうよ! プンプンっ! ってな。 ミルター教授…俺を見て…ニヤリ!? 何を… 「では、繋げてくれたまえ」 はぁ? 本当に、今度は何よ、何っ!
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