流転3

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壇上スクリーンへ映し出されたのは… 我が家族ぅっ!! 何しとんの、あんたら!? 『龍兄ぃ、ヤッホー』 手を振る桜。 癒やされますなぁ。 って、阿呆! 場所をわきまえんかっ! 隣の桔梗からの肘鉄。 大人しくなる桜。 喉を鳴らす、野郎共。 ギッと睨む、俺。 慌てて顔を背ける野郎共。 俺の殺気は、半端じゃ無いんだぜ! 妹に色目使うなら、俺と言う障害を越えて行け! 龍覇術、龍覇紋使って、全力で排除しちゃるっ! ふっ。 これくらいの殺気で、泡を吐いて倒れる軟弱者。 妹に色目使うなんぞ、ん億、ん兆、京、亥…年!早いわっ! 「止めんかっ!」 パシィ! アイタッ! また、ですかい、軍曹。 『スゴッ!  ああなった龍兄ぃを、簡単に諌めちゃったよ』 『本当ね。  びっくりよ』 うっせいぞ、桜と桔梗! 『きっと、龍秀が気を許せる位に良い方なのですよ』 母さぁぁんっ! もう、グダグダ。 困ったもんです。 「良い方らしいっすが…  そこんとこ、ど~っす。  愛妻家で恐妻家のグレッグ軍曹殿?」 「黙って、大人しくしておれ!」 真っ赤で告げる軍曹。 「はいはい。  あ~っと。  一言、言っておくが…  妹達も龍覇術使うからな。  並みの男なら瞬殺だ。  その前に、俺が粉にしちゃるがな」 告げて、ニヤリ。 「龍秀君。  その辺りにせんかね?」 ミルター教授かぁ… 「そうですね。  まぁ家族と回線が繋がってる時点で、説得は終わってんでしょ?」 なんつう根回しだよ、この教授。 『龍秀、その事なのだがな。  父さんからも薦める。  実は父さんの会社もリストラが進んでな。  昨日、同僚2人が切られたよ』 マジ! 『明日、父さんは辞表を出して、早期退職だな。  コメクナのボブさんからお誘いがあった。  だから、そちらの会社へな』 そ、そうなんだ… 『周辺諸国では、シュパング人雇用に制限を掛ける傾向だ。  なので、早期に判断する必要があったのだよ』 はははっ… マジで、もう、そこまでなっている訳ね。 『おまえの就職条件は聞いた。  この様な話しは、もうあるまい。  悪い事は言わん。  受けなさい』 やっぱ…し…ねぇ…
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