流転3

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夢中になって食ってると… 「野菜も食わなきゃダメだよ」 そう告げて、ドンドンって鉢を置く、女将さん。 中には、ザワークラフトの様な葉物。 それに、白いクリームがドンと乗る。 葉物には、松の実やクコの実などの木の実やナッツ類クラッシュが混ぜられていた。 木の実が軽い酸味や甘味に旨味を演出。 クラッシュナッツが、カリッとしたアクセントと風味。 チーズの混ぜ込まれたクリーム。 塩味とコクと円やかさを。 葉物は、酸味とジャキっとした歯触り。 爽やかな感じか… 肉の旨味に蹂躙された口内を癒やす。 お次は、新鮮葉物野菜と根菜類の酢漬けを微塵切りし、ドレッシングと混ぜ合わせ、更に薄味のスープゼリーに封じクラッシュ。 葉物野菜と酢漬け根菜類微塵切りのスープゼリー寄せ、クラッシュ。 だとか… 優しい味に癒やされます。 次は、マッシュポテトに豆腐?とベーコンを混ぜ、それを小判型に整形。 そして、ひたひたの油を敷いたフライパンで焼き上げた、クルケット。 いやぁ~ 野菜も、バカにできんなぁ~ あまりの美味さに感激です。 俺が夢中でガッついていると… コックおやじが、シンさんへ告げる。 「おい、シン!  そういや、入荷したぞ」 シンさん、ビックリして反応! 「マジでかっ!  早く無いか?」 「ああ。  どうやら、何かの振動で、山からの雪解け水が大量に湖へ流れ込んだらしいな。  水温が下がった事が原因てぇこった」 ふぅ~ん。 なんだろね? 「で、どっちだ?」 「両方だぜ」 それを聞いたシンさん。 マジマジとコックおやじを見て告げる。 「マジ…でか?」 頷く、おやじ。 「そっかぁ~  で、幾つ?」 「1人、2つずつだな」 「値段は?」 「例年通りだぜ」 何、何、なぁ~んだろねぇ~ そしたら、シンさん… おもむろに、俺へ言う訳。 「なぁ、リュシュ」 「んっ?  なに?」 「おまえ…  幾ら位、持って…  いや、金、出せる?」 いや、ホント、何事ぉっ!?
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