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「か、金ぇっすかぁっ!?」
思わず言うと…
頷く、シンさん。
え~っとぉ…
滞在日数は決めて…
あれ?
此方へ留学ったか?
旅費っうか…
滞在費は?
俺は、慌てて財布を確認。
財布と相談していると、シンさんが俺へ。
「なぁ、リュシュ」
「なんでっしゃろ?」
生返事は仕方ねぇだろ。
だってよぉ~
お財布様へご相談を掛けてる最中だぜ。
必死ってな。
「おまえ…
勲章と一緒に、副賞貰ってなかったか?」
あ"あ"っ?
副賞?
んっ?
そう言えば…
貰ったな。
教授からも封筒を受け取ったような…
俺はジャケットのポケットから、副賞を取り出す。
中身を確認すると…
それぞれ、10万ディナール以上。
つまり…シュパング鋳(しゅ)で、百万鋳以上となる訳で…
マジ…で?
あの爺さん達…
何、考えとんの?
支度金は別に出すとか、のたまってなかったか、爺さん共。
俺さぁ、学生な訳よ。
学生に、こんな大金を渡したらダメだろうよ。
全くさ。
……… ……… ………
チラっと封筒の中身を…な。
爺さん…達さぁ。
チラッ。
本当にさぁ。
チラッ、チラッ。
こんな事してさぁ~ぁっ。
チラッ、チラッのチラッ。
しょうがないなぁ…もう。
……… ……… ………
興奮してぇっ、参り、まし、たぁぁぁっ!
ではぁっ、皆様、ご唱和をっ!!
あっ!
お大尽!!
お大尽たら、お大尽!
「シンさん!」
「お、おぅ…
どうした?」
「今日は俺の奢り、いや、店を貸し切り…」
バンッ!
っ!!
シンさんが、いきなりテーブルを叩いて立ち上がる!
何事っ!?
その儘、俺の前に…
な、なに?
なんで、俺の胸ぐら掴むの?
なんで?
「図に乗るなよ、小僧」
えっ?
俺…なんか…した?
「いや、奢りって…」
シンさん、俺の頭に手をポンと乗せて、髪をクシャリ。
「リュシュ。
おまえの年で、そんな金の使い方を覚えてどうする?
驕るんじゃない。
大体おまえ、分かってんのか?」
「何がっすか?」
怖いよ…シンさん…
「爺さん達の手の平で踊らされた事にだよ」
はぁ?
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