流転3

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車へ乗り込み宿へ。 途中でシンさんを降ろす。 シンさんってば、新婚さん。 リョウコさんっう、別嬪さんとね。 遊覧飛行をメインとした、飛行会社のご令嬢だとか。 まぁ、従業員が10数人の小さな会社。 昔懐かしのレシプロ機を模した飛空艇で、観光客を空の旅へ。 シンさんも、オフの時は手伝うとか。 リョウコさんのおやじさんは、跡を早く継いで欲しいようだけど… 空軍のエースパイロットだかんねぇ、シンさんは。 軍が首を縦に振らんだろうさ。 シンさんを降ろして、2人に見送られながら車を出す。 横には、ガードナー。 色気無しってな。 しばし、ドライブ、味気なし。 街の灯りに誘われないように… 懐、暖か、猛烈火! 火傷注意よ、俺、注意! シンさんに、叱られたばかりさ、俺様さ。 スゴスゴ帰ろう、穴蔵へ。 ちゃった、安宿へ。 って、ね。 後ろ髪、惹かれ、引かれて、帰って来ました、仮宿へ。 宿の灯り、煌々と、灯るよ、宿灯り。 なんか…あったのかね? 車を駐車し、宿へ。 中へ入ると… 「あ~  良かったよぉ。  アンタ!  リュシュ君、帰って来たよっ!」 なんぞっ! 「おおっ!  無事だったかね。  昼には終わるツアーの筈なのに、帰って来ないから、心配していたのだよ」 マジでかっ! アットホームな宿とは聞いていたが… まるで家族を心配する様な2人。 いや、感激っす。 「実は、午後からもツアー継続になりましてね」 「そうかね。  なら、大変だっただろう。  遅くなったが…  食事の準備も出来ておるからな」 マジでかっ! まぁ、食えるんだが… しかし… 俺の腹、どーったの? 2人と一緒に食堂へ。 ポトフとパンとスズキのパイ包み焼き。 ワインが付いて、デザートは果物だな。 素朴な家庭料理。 そんな料理で、ホッとする。 本当に、自宅へ帰った様な気分になるな。 鱈腹食いましたよ。 流石に、もう入らんな。 ……… ……… ……… 今度、大食い大会にでも、出てみるかな。
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