流転4

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部屋の電話を使用して、内線に掛ける。 ご用命はってヤツだな。 おそらくは、フロントだろうな。 しばらく鳴って… んっ? 転送? 『はい、どなた?』 あや、女将さん。 「僕です。  矢鷹です」 俺が告げると、考え込まれた。 なんぞっ? もう一回、今度は名前で… 「あの~  龍秀ですけど…」 名前を告げてみる。 『ああっ!  リュシュ君?  風邪でも引いたのかい?  声が変だわよ?』 あらっ? 声まで変わったのか? 俺? 「いや、風邪じゃ無いんですが…  ちょっと困った事が起こりましてね。  旦那さん、お願い出来ます?」 本当は、ちょっとどころの騒ぎでは無いんだけどね。 『旦那ねぇ』 何か、困った様に告げる、女将さん。 『あの人は、朝食の準備中でね。  私も、食堂の準備中なのよ。  急ぎかしら?』 どうしよう? 急ぎと言えば、急ぎだ。 今日は、リーラと出掛ける約束だしな。 バスローブで、かつ裸足。 しかも下着無し… 変態スタイルでのお出掛け… ありか? 無いわぁ~w うん、こりゃ、急ぎだね。 超特急、いや、新幹線…超光速だぁ~ねっ。 そういや、新幹線ってぇのに、一度乗ってみたいな。 この国には、有ったと聞いたが… っと、そんな事よりだ。 「済みません。  かなり急ぐんですけど…」 告げると… 女将さんが溜め息を吐いて告げる。 『仕方ないねぇ。  今、行くから』 え"っ!! 女将さんが! 「ちょっと、待って!  旦那さんは!」 そりゃ、旦那さんは朝食の準備中だろうけどさぁ… この変態スタイルで、女将さんと会う訳には… 『どうしたのさ?  私じゃ拙いのかい?』 うん、拙いです。 仕方ない。 素直に告げるか。 信じて貰えるかは分からんが… 『実はですね。  下着を含めた服が、全部ダメになりまして…』 女将さん、絶句。 『水にでも濡らしたのかい?  じゃぁ、代わりを…』 「違うんです!」 『えっ!』 「信じて貰えないかもしれないですけど…  急に背丈が伸びちゃったんですよっ!」 女将さん、沈黙。 『朝から、ユーモアあるわね、リュシュ君』 って、信じてくんないかぁ… ですよねぇ。
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