流転4

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「本当なんですよっ!」 信じて、プリーズっ! 『………  それで…、今の格好は?』 「腿までしか無い、バスローブ一枚です」 『それは、なかなか…』 へっ? 『無理に、今の服を着るのは?』 そりゃ、無理っうもんだぜっ! 「女将さん」 『んっ?』 「今、小学高学年時の服を着ろって言われて、着れますか?」 無理だろ、それ。 『そうさね。  背丈はギリギリだけど…  太っちまったからねぇ』 あんるぇ? ああっと! 女性は野郎と違って、小さい頃に急激に成長して、背が止まるんだったか… 小学の頃に、俺をチビってた女の子。 高校で小学の同窓会やって会ったら、縮まっててな。 言ったら… 「アンタが、デカくなったんだっ!  ボケェッ!」 って、腿を蹴られた。 スカートでハイキック。 思わず、眼福。 何が? 知らんよ。 『まぁ、言いたい事は分かるよ。  息子も中高で、背が伸びたからねぇ。  今、子供服を着させたら…  無理だわねぇ』 ああ、息子さん、居たんだね。 「今日、基地で知り合った子と、出掛ける約束があるんです」 『女の子かい?』 「ええ…」 変態スタイルでのお出掛け… あり得ん! 『そ、そりゃぁ…  深刻だわねぇ』 解ってくれたようだ。 『確かに、私が行くのはねぇ。  私は良いけど…  ダメだわよねぇ』 何で、女将さんは良いの? 残念そうに告げんで下さいなっ! 『アンタ。  ちょっと良いかい?』 『んっ!  どうした?』 あれっ? 旦那さんの声。 移動したのか? 『今、調理の方はどうだい?』 『ああ、下拵えは終わったな。  後は焼いて出すだけだ。  ただ、リュシュ君の食べる量が増えたと聞いただろ。  だから、予備の下拵えをな』 なんか… ご迷惑掛けますです、はい。 『そうかい。  実はねぇ…』 女将さん、説明中。 旦那さん、絶句。 『そりゃ、仕立てんと、無理だな。  確かに、急ぎだ。  メリトを叩き起こして、手伝わせろ!  ターナさんに連絡して、手伝いに来て貰え。  俺は、タジュンさんに連絡してみるからなっ!』
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