流転4

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なんか… 慌ただしくなって来たな。 しかし… 俺はまだ、通話してないとダメなのか? 無理を言ってるしねぇ… うや、切れた? ああ、外線使うから切れたんだな。 しばらく、待ちますかね。 他の客達が動き出す気配。 食堂へ移動しているようだ。 龍気の状態で、一組が女性3人グループと分かる。 間違っても、見られたらアウトだな。 次は野郎、2人組。 その次と次は、男女のペア。 夫婦か、恋人か… 男性と女性が1人づつで最後かな。 全室から龍気の気配が消える。 なんか… 龍気が手に取る様に、分かるんですが… 『リュシュ君、待たせたね。  仕立て屋には連絡して、至急来て貰える様にした。  だが…  かなりの費えとなるが…  大丈夫かね?』 ああ、金ね、金。 うん、大丈夫。 昨日の臨時収入があるからね。 ……… ……… ……… シンさんに言われた通り、バカな散財しなくて良かったよぉ~ 服が買えなくなるところだったぜっ! えっ、幾ら使う気だったんだってか? バーロォゥ! 皇土子は、宵越しの銭は持たないんだよぉぃっ! べらんめぇいっ! って、嘘です、冗談です! 俺様の辞書は、俺専用ったら… ご両親に報告ってなぁ… 壇上で母さんに叱られるとはよぉ… どうやって、連絡したんだろ? 恐るべし! 「お金の方は大丈夫です。  昨日、ちょっとした臨時収入が有ったんですよ」 ちょっとしたどころじゃ、無いけどね。 『そうかね。  済まんが、私は手が放せん。  だから、息子を取り敢えず行かせるからね。  今、起こしに行かせたから、しばらく待って貰えるかね?』 ああ、息子さんね。 休みなんだろうに、済まんね。 「分かりました。  大人しく待ってますよ。  この格好じゃあ、何処にもでれませんからね」 変態おじさんみたいに、路上で前をバッととか… ……… ……… ……… なんでも無いよ、何でも…ね。 しかし… 家を含めて、服や下着、靴が全てパア。 こりゃキツい。 昨日貰った軍服も、既に着れません。 勘弁だぜっ!
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