流転2

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お姉さまが、此方へと帰って来る。 少し疲れてらっしゃるね。 「ふぅ。  これで、大丈夫かしらね」 そう、お姉さま。 インテリ君が近付いて来た。 「ご苦労様でしたね。  しかし…  男の嫉妬とは、嘆かわしい」 そんな事を告げる。 「あらっ?  気付いたのかしら?」 「聡い者なら気付いておるでしょうな。  青年が彼等を気遣い差し入れ。  少尉が後押しですかな?」 あっちゃぁ。 見抜かれてた訳ね。 って、事は… お姉さまは承知でついて来られたと… 「私も、エスコート中に気付いてたし、軍曹にも聞いたからね。  (なんとかしよう)って思っていたら、リュシュ君が自分から動いたじゃない。  だから、アシスト位はね」 そう告げて、ウインク。 そんな笑顔が素晴らしい。 酒に夢中なヤツらは気付いて無いがな。 「しかし…  君は富豪の御曹司かね?」 何でそうなる、インテリ君? 「いや、貧乏学生だけど…  なんで?」 ホント、なんで、そんな結論になる訳? 「いや、あのクラスのシュパング酒は、シュパングにおいても高価な筈。  それを無造作に差し出す…  金の無い者には無理だと思うのだがね」 ああ、そう言う事か… 「アレは貰い物でね。  価値なんて知らないさ」 目を剥く、お2人さんwww ワロス、ワロスwwwww 「俺の叔父さんの1人から貰ったんよ」 「ああ、翻訳機の?」 そう、お姉さま。 俺は、首を横に振り告げる。 「違う叔父さんだよ。  此方は倒産品を取り扱う会社を、個人で経営してんだ。  この酒は、酒のディスカウント店が倒産した時に流れた品ね。  二束三文にて買い叩いたってさ。  その内の何本かをくれたんだよ。  まぁ、バイト代の代わりってね」 まぁ、俺1人で数人分の力仕事をこなす。 だから手伝ったら、色々と優遇してくれる訳よ、これが。 美味いのは知ってっから、旅先でもチビチビやろうかとね。 それで持って来ていたのを出したのさ。 空間歪曲で造り出した空間は、何故か時からも切り離されるからな。 保存には最適なのさ。
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