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「会社員なんてのも、今では高嶺の花なんだぜ」
俺が告げると、更に目を剥く、お2人さん。
ほーんと、分かってないなぁ~
「人件費が、一番高いのっ!
単純労働はゴーレムで十分。
ある程度の思考が必要な作業も、最新AI搭載のゴーレムやマシーン様がこなすんだよ。
今に経営までやり始めんじゃね」
安泰はオーナー様方だけ…
そうなると、自分で商売?
海千山千のライバル相手にか?
無理だ無理。
医療現場にも、今やゴーレムが侵食。
古参の看護士以外は消えつつある。
生き残るのは、カウンセラー。
流石にゴーレムでは無理。
だが…医者不足から、ゴーレム医が開発中とか…
人の働く場…
それが着実に消えつつあるんだよ。
「効率化社会の悪影響なのね…」
半ばボーゼンのお姉さま。
肉体労働でも、繊細な作業には人が使われる。
力は強いが、少し繊細さに欠けるのでな。
骨董品なんぞや美術品は任せられない。
叔父さんの店みたいに、流れ品の扱いもな。
運送中に壊れたなんてぇのは、洒落にならんからな。
だが…
技術は日進月歩。
いずれは、対応出来るゴーレムが現れるだろう。
数多の就職難民を抱えたシュパングよ…
どんな未来が待っているのかねぇ。
俺も、人事では無い。
いや、オヤジだって、何時肩叩きがあるか…
そう零すコトもな。
お袋のパートはデザイナー。
コイツはAIでは無理。
だが、作業にはAI機器は欠かせないらしい。
つまり、人を雇って行っていた事が、今では奪われている訳だ。
その事を告げると…
インテリ君が蒼くなって席を立った。
なんぞ?
「彼の国では、シュパング産ゴーレム導入が検討されているらしいわね」
ああ、だから国へ今の話をねぇ…
「この国は雇用を脅かすからって、導入を拒否してるわ。
色々大変みたいだけど…失業者はシュパングよりマシみたいね」
流石は先見の明がある指導者様だな。
阿呆なシュパング政治家とは違う訳だ。
そんな話の後で、俺は酒保を後に…
楽しい旅行…
帰ってからが大変だな、こりゃ。
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