第1章

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私は、小学校の頃・・・よく家にくる父の部下・・・名を『一ノ瀬 八雲』と言った・・・が嫌いだった・・・。 八雲さんは、20代にして『無かった』人だった・・・。 私の父や、父を慕って集まってくる他の部下社員さん達にはしっかりとある、『頭髪』が既に駆逐されていたのだ・・・。 口の悪い人などは、『ナミヘイ』とか、『凍土』、『歩くゴビ砂漠』とか辛辣な事を言っていた。 そのせいか、こういう集まりではいつも頼りなげにおどおどしていて、どうしても私のような年端も無い子供の所に来ることが多かった。 私も流石に『禿』とは面と向かって言えなかった。 『八雲さん』とは呼んでいたが、心の中では『ザビエル』と呼んでいた・・・。
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