第1章

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あれから20年以上が経った・・・。 私は八雲さんにお礼の言葉も言えないままここまで来てしまった・・・。 小さいころの想いは褪せることなく今も私の心に根付いている・・・。 そして、その年の秋・・・私は社員旅行先の『石見銀山』であの光を・・・懐かしい光を見つけた・・・。 友達の声も何処へやら・・・私はあの時とは逆に私が人ごみをかき分け、光に向かった・・・。   「八雲さん、元気でしたか・・・・?」   「遼子ちゃん・・・?何で・・・?」   20年前とほとんど変わらない容貌のその胸に飛び込むと・・・私は、相変わらずおどおどしている八雲さんに言った。   「社員旅行です。」   そして、続けて言った。   「あの時は有難うございました・・・。」   私の言葉に、八雲さんはあの時と同じように、胸の鼓動を速めながら言いました。   「うん・・・あの・・・元気だった?」 少し、赤らんだ顔の八雲さんに私は言った。 「はい、元気です。」 私は微笑みながら、昔の儘の八雲さんの顔を見て笑顔を見せながら思った・・・。 やっと、会えたよ・・・八雲さん・・・。 ーおしまいー
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