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「あっちのまともなホテルまで行こうと思ったけど無理だな。ここ入るぞ」
菜々子を見据えてから建物に目を向ける。
しょっちゅう会えるわけじゃない菜々子を、本当はラブホテルになんかにつれこみたくなかった。
会えた時はどこか彼女の喜ぶ場所に旅行に行くか、俺の部屋でゆっくりしたかった。
でも今は……。
「どうするよ」
「……」
「なんであんなことさせてんだよ」
「それはナツだって同じじゃない。わたしはなんか行きがかり上……仕方なく」
「俺だってそうだよ。でもあんなことさせていいわけないだろっ」
「ナツだってあちこちあちこちあちこち触られてても、ヘラヘラ笑ってたじゃない!」
「別にあちこちなんか触らせてないだろっ。このへんだけだよっ」
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