第五章 Double Rainbow

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「あっちのまともなホテルまで行こうと思ったけど無理だな。ここ入るぞ」 菜々子を見据えてから建物に目を向ける。 しょっちゅう会えるわけじゃない菜々子を、本当はラブホテルになんかにつれこみたくなかった。 会えた時はどこか彼女の喜ぶ場所に旅行に行くか、俺の部屋でゆっくりしたかった。 でも今は……。 「どうするよ」 「……」 「なんであんなことさせてんだよ」 「それはナツだって同じじゃない。わたしはなんか行きがかり上……仕方なく」 「俺だってそうだよ。でもあんなことさせていいわけないだろっ」 「ナツだってあちこちあちこちあちこち触られてても、ヘラヘラ笑ってたじゃない!」 「別にあちこちなんか触らせてないだろっ。このへんだけだよっ」
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