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◇
菜々子をうつぶせにしてベッドに押さえつける。
散らばる髪を真ん中で二つにわけてわきに退け、うなじも背中もあらわにする。
菜々子の両手の甲の上から俺の両手をそれぞれ重ねる。指の間に俺の指を入れて強く握りしめる。
長い髪に執拗にキスを繰り返した後、うなじに唇を移動させると菜々子の背中がわなないた。
この真っ白い背中まで全部俺のものだ。
二度と背をむけることができないように、俺の印をお前に刻んでいく。
うなじ。肩。背骨。肩甲骨。菜々子の背に次々と小さな赤い花が咲いていく。
「菜々子……」
愛しさは時として凶器。お前が無自覚にさせる嫉妬で俺を煽るたび、俺は凶暴になる。
それはダメだと自分にブレーキをかけても、抱くときだけは凶暴な気持ちになる。菜々子がうつぶせにされることにとまどっているのがよくわかる。
「ナツ……どうして」
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