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やわらかい枕から横顔を覗かせる菜々子。
両手は俺に強く握られて、ベッドに留めつけられて、ほぼ身動きがとれない。
俺に自由を奪われても戸惑いの呟きをもらすだけで、菜々子の表情には微塵の恐怖も浮かんではいない。
信用されているんだと思うと、喜びよりも安堵感が勝る。
嫉妬まじりで抱く時、うつぶせにして背中にキスを繰り返すのは、お前が作ったトラウマのせいだ。
あの日、拒絶の意味で俺に向けたこの背中まで、今は全部が俺のものだという証拠が欲しいから。
俺に向ける背中まで全てが俺のものだ知らしめているためだ。
男の心をここまで征服していることなんて、まるでわかっていない純粋な女。
俺は絶対にお前を離さないぞ菜々子。
どんなことがあってもな。覚悟しろよ。
今日も俺は菜々子をうつぶせにして、彼女の両手の甲を後ろから強く強く握りしめる。
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